2019.02.08

『密原トリカと七億の小人とチョコミント』Amazonにて予約開始

『密原トリカと七億の小人とチョコミント』アマゾンでの予約が開始されました。
正体不明の美少女
密原トリカが
脅し、惑わし、導く――
彼女の狙いとその結末は?
驚愕と感動の18篇

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2019.02.06

『ミート・ザ・ジャンパーズ!』Amazonで予約開始

『ミート・ザ・ジャンパーズ!』Amazonでの予約が開始されました。

メジャーデビューもしていない、平均年齢70歳に届こうかという〝ご長寿〟バンド、ジャンパーズ。彼らはなぜ、やめなかったのか? 夢をあきらめたことのある、すべての大人たちに贈る、胸を熱くする音楽青春グラフィティ(延長戦)!

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2019.01.29

『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる』Amazonで予約開始

ここでは「名古屋駅西 喫茶ユトリロ(2)(仮」」となってますが、正式なタイトルは『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる』です。

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2018.12.26

Bittersweet Wanderers まえがき

「Re:Story」に続き、ももクロの新曲「Sweet Wanderer」のミュージックビデオを観て思いついた話を、ここにアップします。

元ネタのMVはこちら。

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Bittersweet Wanderers

「この車にしたのは、四人乗りだから」
 ハンドルを握るシオリが言う。
「ちょうどいいでしょ、わたしたちに」
「だよね」
 後部席のレニが返す。
「わたしたちにぴったり」
「お菓子も食べ放題だし」
 と、アヤカが言った。
「それ関係ないじゃん。ちょっとあんた食べすぎ」
「レニだってさっきから食べてるでしょ」
「だって食べないとアヤカが全部食べちゃうもん」
 学生時代から変わらないやりとりを聞きながら、シオリは助手席に眼をやる。カナコは会話に入らず窓の外を見ていた。
「疲れてる?」
「……」
「ねえ、カナコ」
「……え? なに?」
「さっきからぼんやりしてる。仕事、大変?」
「そんなことないけど……」
 カナコは何かを振り切るように首を振って、
「ごめん。雑念が多くてさ、最近」
「雑念?」
「いろいろと」
「ふーん」
 それ以上は追求せずに、シオリは運転に専念した。免許を取って以来、こんなに長い距離を走るのは初めてだ。少し不安。いざとなればアヤカに代わってもらえばいいけど、できれば今日はひとりで運転したい。ちゃんとできるところをカナコに見てもらいたい。
 途中で休憩を挟みながら、なんとか目的地の軽井沢に着いた。
 まずは旧軽井沢銀座通りでをぶらぶらしながら食べ歩き。それから白糸の滝を見たり、お洒落な店でチーズフォンデュのランチ。それからまた移動して林の中へ。
「あー、空気が美味しい!」
 歩きながらアヤカが大きく伸びをする。
「林の中って、いい匂いするよね」
「それ、あれだよ。ほら、ほら」
 レニがもどかしそうに言葉を探す。
「ほら、あの……ふ? ふぁ? ふぇ?」
「フィトンチッド」
 カナコが言った。
「樹木が微生物の活動を抑制するために発散する化学物質」
「さっすがカナコ。頭いいねえ」
「成績トップは伊達じゃないよねえ。何でも知ってるもん」
 レニとアヤカが囃す。
「そんなんじゃないよ。ちょうどうちの会社がフィトンチッドを利用した新製品を開発中でさ、その仕事を任されてるから知ってるだけ」
「その仕事ってもしかして、さっきランチのときにかかってきた電話も?」
 シオリが尋ねると、
「ま、ね。でも大丈夫。さっきの電話で今日は最後だから。もう仕事はしない」
「さっきまで仕事してたんかい」
 レニが突っ込むと、カナコは苦笑した。
「ごめんね。でもほんと、もう仕事の話はなし」
 そう言って足早に歩きだす。その後ろ姿をシオリは見つめていた。
 いつもそうだ。カナコは自分で全部抱え込んで、誰にも頼らずに片付けて。たまには、頼ってくれてもいいのに。
「なんだかなあ……」
 レニが呟く。
「カナコって、前からああだったっけ?」
「ああって?」
 アヤカが訊き返す。
「あんなに頭が良くて大人しくて無口だったっけ?」
「え? ずっとそうじゃん。カナコは同級生の中でいつもトップだったし、いつも本を読んでたし」
「そうだけど、そうだけどさ……」
「何が言いたいの?」
 シオリが尋ねると、レニは頭を掻きながら、
「なんかさ、ときどきフッと思い出すんだよね。馬鹿笑いして飛び回ってるカナコ」
「馬鹿笑い? カナコが? まさか」
「思い出すっていうか、二重写しみたいになるの。めちゃくちゃ騒がしくて元気で、そんなカナコの姿が」
 ああ、そうか。レニも気付いていたのか。
「……なんか、言われてみるとさあ。わたしもときどき思うんだよね」
 アヤカが呟くように、
「わたしたち、何かしてたような気がする」
「何かって?」
「よくわからない。でも、一緒に何かしてたような……」
「……ダンス」
 シオリは呟く。
「わたしたち、ダンスしてた」
「ダンス? 何それ?」
「して……なかったか」
「してないしてない。わたし、学校で無理矢理やらされて以来、ダンスなんてしたことないもん」
 レニが大袈裟に否定する。
「わたしたちさ、四人とも運動音痴だったでしょ。体を動かすなんて論外だったし」
「そうだよね。本を読んだり映画を観たりするのが楽しい高校生活だったじゃん」
 アヤカも同意する。
「シオリ、ダンスしてた?」
「してない。してないけど……でも……」
 ドゥユドゥユドゥユドゥユワーナダンス……
「レニと同じ。ときどき、思い出すの。リズムに合せて四人で踊って……それから……事故?」
「え?」
「死んだ?」
「ちょっとちょっとシオリ、何言ってんのよ」
「うん、変だよね。何言ってるんだろ、わたし」
「それってもしかして、前世の記憶だったりして」
 レニが茶化すように言う。
「前世? そんなの信じるの?」
 アヤカが眼を丸くする。
「信じてるよ、わたし。人間って生まれ変わっていくんだもん」
「レニがオカルト趣味とは知らなかった」
「オカルトじゃないもん。これは純粋に魂の話でさあ」
「魂? ああそういえばレニ、昔は幽体離脱が特技だとか言ってたもんね」
「それは……もう言わないでってば」
 いつの間にか学生時代の痴話喧嘩みたいになっているレニとアヤカを置いて、シオリは先を行くカナコに駆け寄った。
「……ねえカナコ、わたしたち、ダンスとか……」
 訊きかけたとき、カナコが立ち止まった。
「……思い出した?」
「え?」
「それは、大事なことだよ」
 振り返ったカナコは、一瞬だけ弾けるような笑顔を見せた。
「わたしたち、やっと会えたんだから」

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2018.12.19

ホームページ更新

http://tadashi-ohta.in.coocan.jp/index.html ホームページ更新しました。著作リストの更新と新刊情報を公開しました。 これから出る本は、

『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる』(ハルキ文庫) 『ミート・ザ・ジャンパーズ!』(光文社) 『密原トリカと七億の小人とチョコミント』(キノブックス)

今のところ、この3冊です。その先は、これから書きます。

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2018.11.26

星新一についての講座

https://www.asahiculture.jp/nagoya/course/1ef526a5-9a3d-f3cd-2d76-5bcfc6166b2f

名古屋・栄の朝日カルチャーセンターにて星新一先生についての一日講座を行います。

星新一という作家の特質とかショートショートについて語ろうと思っています。
よろしければ、ご参加ください。

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2018.10.31

『ショートショート美術館』amazonにて予約開始

田丸雅智さんとの競作『ショートショート美術館』(文藝春秋)が11月に刊行されます。
10の名画を元に書かれたショートショートが合せて20編。
合せて「ショートショートガーデン」で公募された一般作品2編も掲載されています。

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2018.08.16

Re:Story Of Our Life まえがき

 ももクロの新曲「Re:Story」のミュージック・ビデオを観て無性にノベライズしたくなり、勢いで書いてしまいした。

 書いてしまった以上、どこかに発表したくなるのが性なので、久しぶりにブログを更新します。
 
 ノベライズといいながら、書いている途中でどんどんオリジナルなアイディアが浮かんできて、結局は混交したものになりました。
 なお、元ネタのミュージック・ビデオは、以下のものです。

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Re:Story Of Our Life(その1)

 ももクロを観に行こうよ、と最初に言ったのはタマシーだった。
「ももクロ? あのももクロ?」
「そう、あのももクロ」
 モモスケは真面目な顔で言うタマシーをじっと見つめる。
「おまえ、バカなんじゃない? 行けるわけないじゃん」
「どうしてだよ? どうして行けないんだよ?」
「だってさあ……」
 モモスケはずり落ちていた眼鏡を上げ、頭を掻く。どうやったらこいつにわかるように話せるか、頭の中で整理してから言った。
「第一の問題。ももクロってなんだ?」
「モモスケ知らないのかよ? ももクロは歌って踊ってみんなを幸せにしてくれるものだよ」
「それは知ってる。でもさ、見たことある?」
「あん?」
「だ、か、ら、ももクロ見たことあるのかよ?」
「ないよ」
 タマシーはあっさりと言った。
「でもさ、そんなことは全然問題じゃないよ。ももクロはすごく楽しいって、みんな知ってるんだから」
「そう言われてるだけだろ。だけど誰も本当にももクロを見たことないじゃんか。そんなの、本当は存在しないんだ」
「みんなが知ってるのに存在しないものなんか、あるかよ」
 タマシーは言葉を返した。
「それに、そういうものを探すのだって、夏休みの自由研究になるだろ?」
「自由研究、ねえ」
 全然説得できないことに少し苛立ちながら、モモスケは空を見上げた。今日も暑い。夏の青さが眼に沁みる。
「じゃあさあ、もうひとつ質問。どこに行けばももクロが観られるのか知ってる?」
「うん、知ってる」
 意外な答えに、モモスケは一瞬思考が停止する。
「……嘘、つくなよ」
「嘘じゃないって。ほら」
 タマシーがバッグから折り畳まれた紙のようなものを取り出し、差し出した。受け取ったモモスケは、すぐに気付く。
「これ……紙じゃないみたい」
「そうだよ。羊皮紙」
「よーし? 何がよーしなんだ?」
「よーしじゃない、ようひし。羊の革で作った紙だよ。古いものなんだ」
「へえ」
 タマシーの博識に少し感心しながら羊皮紙を開く。そこには地図のようなものが描かれていた。
「これ、もしかして、この町の地図?」
「そう。たぶんすごく古い地図。だから俺たちの知らない場所も描いてある。ほら、俺たちが今いるのはここ。それからモモスケの家はここ」
 タマシーが右下のあたりを指差した。
「でさ、これ見てよ」
 彼の指がすうっ、と紙の上を滑る。そしてある一点を差した。
 そこには大きな円い建物のようなものが描かれている。
「これって、もしかして、スタジアム?」
「そう。ここにあるんだ。そして」
 タマシーが建物の真ん中を指差した。
「ここに、ももクロがいる」
 モモスケの背筋がぶるっと震えた。わけのわからない興奮が全身を走る。
「こんなの、どこで見つけたんだ?」
「森の中。木の枝に挟まってた」
 何でもないことのようにタマシーは言う。
「でもおかしいんだ。この地図のあったあたり、木が何本か折れてて、焦げたみたいになってた。なのにすごくいい匂いがしたんだ。花がいっぱい咲いてるみたいな。でも花なんかどこにもなかった。もしかしたら、この地図に関係することかもしれない」
「それ、なんかヤバくないか」
 モモスケの頭の中で警報が鳴る。
「警察とかに言ったほうがよくない?」
「ダメダメ。そんなことしたら、この地図を取り上げられちゃう。それよりさ、行ってみようよ」
 タマシーが顔を近付けてきた。
「俺たちで、ももクロを見つけようよ」
「俺たち、ふたりでか」
「いや、四人で」
 タマシーが言葉を返す。
「アリにもレニスにも、もう話をしてある。あとはリーダーの決断だけだ」
「リーダー? 俺のこと?」
「いつだって、モモスケがリーダーだよ」
 そう言って、タマシーは笑った。

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