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2004.08.06

ガマ王子VSザリガニ魔人

 厚生年金会館でG2プロデュース公演『MIDSUMMER DAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』を観劇。
 相変わらす後藤ひろひとの作品はタイトルがすごいね。前回は『ダブリンの鐘つきカビ人間』だったし。
 今回の作品は「MIDSUMMER DAROL」というタイトルが示すとおり、『クリスマス・キャロル』がモチーフになっていました。舞台はとある病院。そこに入院している傲岸不遜で意地悪で依怙地な金持ち老人と、交通事故で両親を失い自らも脳に損傷を負って一日しか記憶を留めておくことができない少女のお話。それに一癖も二癖も百癖もある入院患者や医師、看護士たちが絡んでくるんだけど、物語はびっくりするくらいストレートなものでした。これまで後藤ひろひと作品はいくつか観ているんだけど、ホラーにもファンタジーにもシュールにもならず、あくまでリアルな設定の中で物語が進むなんて、初めて。『クリスマス・キャロル』なのに幽霊も出てこない。
 しかしね、これがもう、じつにいいんですよ。「お前が私を知っているというだけで腹が立つ!」というのが口癖の意地悪老人が、一晩眠ってしまうと前日の記憶をすべて失ってしまう少女にだけは自分のことを覚えていてもらいたくて切ないまでに奮闘する様が、結果としてすべてのひとの記憶に残る奇跡を起こす。最後はもう、涙涙。
 しかしそこは後藤ひろひとですから、ただ泣かせはしない。泣かせどころでビシバシとギャグを入れてくるので、観てるこっちは涙流しながら大笑いをさせられてしまいます。やっぱりいいな後藤ひろひと。一生ついていきたい。
 キャスティングもなかなか良。少女役に大人を使わず本当の少女を起用したことが、今回成功してましたね。
 ただ初舞台だった伊藤英明長谷川京子は、やはり舞台向きの演技がまだまだできていなかったような。ハセキョーは結構重要な役所なのだけど、今一つ説得力に欠けたり。伊藤英明も元天才子役という雰囲気ではなかったしなあ。ふたりだけのシーンになると、別の意味でハラハラしたりして。でも伊藤英明、最後にハジけたね。ザリガニ魔人最高でした。

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コメント

 「ガマ王子VSザリガニ魔人」私は東京で見ましたが本当にこれは良かったです。後半、最初の泣きシーンは目の縁に涙をためながらも零すことは我慢してましたけど、次のシーンでボロ泣き。
 家族を失い、記憶を失うことでそれをなかったことにして取り戻し、また失う。
 凄く切ない気持ちになりました。
 大王、そしてG2は私も一生追い続けるつもりです。
 

投稿: 翠條 | 2004.08.07 01:47

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