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2005.04.02

久々のイッセー尾形

イッセー尾形のとまらない生活2005 in 名古屋」を観る(於・テレピアホール)
 年末の公演を見逃していたので、久々の対面です。今回はドイツの公演で演った新作をそのまま持ってきたとのこと(イッセーさん、海外でもすごく評価されてるんですよね)。
 観たことのないひとのために説明すると、舞台にはイッセー尾形ひとりしか出てきません。小道具も椅子とか鞄といったシンプルなものがひとつだけ。そんな舞台で毎回ちょっとおかしな人のおかしな場面を切り取って演じてみせます。短い芝居が終わると舞台袖にある着替えコーナーへ行き、次の演目のための着替えとメーキャップをします。観客はその着替えのシーンも観るわけで「次は何をするんだろう?」というワクワク感を味わえます。
 今回はステージに穴が開いたために呼び出された落ち目のムード歌謡歌手、父親の徘徊に翻弄される労働組合の老闘士、80歳過ぎていそうなホステス、入社後一週間で会社を辞めると言い出した息子を行きつけのスナックに呼び出して諭す父親、といった人々を演じてくれました。いつもながら「流れに乗り遅れていることに気づいていない、いや、ほんとは気づいてるのかな、でも気づきたくないよなあ」という微妙な立ち位置の人間を鮮やかに描き出して「面白うてやがて哀しき」人生を感じさせてくれます。
 今回一番気に入ったのは、深夜に呼び出された引っ越し屋の若者の話でした。荷物は布団ひとつに母子だけ。こりゃ亭主が留守の間に夜逃げするんだなと訳知り顔で仕事に取りかかろうとしたら、布団の中に亭主の死体が巻き込まれている。殺された遺体の運搬を手伝わされるのだと気づいてからの若者のうろたえぶりが出色でした。こういうブラックなのも巧いなあ。
 もうひとつ今回嬉しかったのは、あの名作「駐車場」を再演してくれたことです。これ、僕がたまたまテレビで舞台を観て茫然自失し、それからイッセー尾形にハマってしまった伝説の演目。接待する相手を駐車場で待っているサラリーマンが、相手が乗ってくる車の車種を急に思い出せなくなる。ひょっとしたら先に行っているかもと店に行こうとしたら、今度はその店の名前が思い出せない。しかたないから会社に確認しようとすると会社の電話番号が思い出せない。こうして次々と記憶が欠落していき、ついには自分が何者かもわからなくなってしまう。一人芝居のドタバタコメディなんだけど、そのシュールさとイッセー尾形のコミカルとシリアスの境目を突く演技に観惚れてしまいます。いやあ、やっぱりすごいや。

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