29日は推理作家協会賞パーティ出席のため上京。
早めに東京へ行き、某社の編集さんと打ち合わせ。小説の仕事をするのは初めてのところなので、新シリーズ立ち上げのための企画書というかシノプシスを持って臨む。とりあえず面白がってもらえたので、一安心。しかしこうやって僕は子飼いの探偵を増やしてしまうのだよなあ。
打ち合わせ後、すぐ近くのホテルへ移動しパーティに出席。
今年の受賞作は長編及び連作短編集部門で歌野晶午さんの『葉桜の季節に君を想うということ』、垣根涼介さんの『ワイルド・ソウル』。短編部門は伊坂幸太郎さん『死神の精度』 。評論その他の部門では千街晶之さんの『水面の星座 水底の宝石』 と、多田茂治さん『夢野久作読本』 。歌野さんと千街さんは本格ミステリ大賞とのダブル受賞です。
いつもどおりの授賞式の後は、いつもどおりの歓談。今回はすでに原稿を完成させているものが多かったので、いつもより編集さんに頭を下げる回数は少なかったです。あらたに文庫の出版予定とかも聞いたので、ホームページのほうに告知しておかなければ。
作家さんともいろいろ雑談。綾辻行人さんから『暗黒館』の進捗状況を伺う。2500枚の大作、しかも長期連載だから書き終えても手直しが大変らしい。「でも、うちには3500枚書いたひとがいますから」って、そうか、『屍鬼』を書いたひとが眼の前にいるんだから、頑張らざるを得ないか。
田中啓文さんには『蹴りたい田中』の感想、というか大絶賛の言葉を。東京に向かう新幹線の中で読んでいてあまりの面白さに茫然としてしまったので。なんて言うか「ああ、生きていていいんだ」という気持ちになりました。しかし田中さんに「太田さんもああいうの書きません?」と言われ「いやあ、一歩踏み出す勇気がなくて」と答えたのは、一歩も二歩も三百歩も踏み出している田中さんに失礼だったかも。
我孫子武丸さんからは「名古屋には『あんかけスパゲッティ』なるものがあるそうですが、それは美味いんですか?」と問い詰められる。いや、ご本人は問い詰めてるつもりはないんでしょうが、なぜか我孫子さんと話しているといつも問い詰められているような錯覚に陥るなあ。どうやら「あんかけスパ」のことを「タモリ倶楽部」で紹介してたらしい。うーん、「あんかけスパ」、僕は好きだけど僕の嫁さんは嫌い。つまり地元の人間であってもみんながみんな支持してるわけじゃないから、どう答えたらいいのか返答に困る。実際に食べてもらうしかないよなあ。
パーティがお開きにあった後は歌野さん千街さんの二次会へ。そういえば去年の二次会では協会賞を取った上に阪神も好調でウハウハだった有栖川有栖さんに「星野は貸してるだけだからね」と釘を刺したのでしたが、今年は立場が逆転。いや、僕が賞を取ったわけじゃないんだけど中日首位だし。でも有栖川さんには「そろそろ星野を返してよ」とお願いしました。お願いされても有栖川さんだって困るだろうけど。
二次会の後も一同は三次会に向かうようだったけど、たぶんカラオケだろうからと僕は退散。ホテルに戻ってバタンキュー。
翌日、朝9時にホテルを出て東京駅に到着すると、静岡付近の集中豪雨のため新幹線がストップ。3時間以上待たされました。家にメールすると名古屋は晴れているという。東京もそんなにひどい雨ではなかったので本当に局地的な雨だったんだな。
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