「Shuffle」を観る
敬愛する“大王”こと後藤ひろひと作・演出の舞台「Shuffle」を観る(於・愛知厚生年金会館)
主人公は敏腕刑事・乾利貴、でも女にだらしがなく(少しでも石野真子に似ているところのある女性を見たら口説かずにいられない)、トランプのカードのように次々と相手を替えることから「シャッフル」と呼ばれる男。時価数十億のダイヤを盗んだ窃盗団チップスの捜査を担当することになり、ダイヤを盗まれた責任をとって辞めさせられてしまった警備員・三つ葉幸子(チビ・ブス・眼鏡の三拍子。おまけに博多弁丸出し。でも格闘技の達人)と共に敵のアジトに侵入するも、窃盗団のボス・ハートがものすごい美女だったせいで任務を忘れてアプローチ、お返しは窃盗団たちによる拳銃乱射。悪運強く弾は避けたものの二階から落下してそのまま病院送り。4日間寝込んだ後に眼を覚ましてみると、なんと、眼の前に現れる人間すべての顔が記憶と全然違っている。上司の剣は同僚梶野の姿形をしているし、その梶野は自分を撃った窃盗団の一員BJの姿に。医師の説明によると「転落のショックで脳に蓄積していた記憶データが引っくり返った」とのこと。せっかく窃盗団の顔を覚えたのに、これが誰が誰だかわからない。そこにやってきたのはチビブス眼鏡のはずの幸子なのだが、その姿形は……石野真子!
というわけで、以降はシャッフルの視点で次々と人物が入れ代わり、超絶なドタバタ劇が展開されます。いやあもう、素晴らしいの一言。どう整理しても混乱してわけがわからなくなりそうな設定を見事に展開し、ぐいぐい引っ張ってくれます。最後まで隙のない上質なコメディ。外見でしか女を見てなかったシャッフルが、外見情報がシッチャカメッチャカになってしまったせいで必然的に女性の内面に眼を向けるしかなくなり、チビブス眼鏡と忌み嫌っていた幸子の魅力に気づいていく、という展開もラブコメディの王道を歩んでますね。
役者陣も素晴らしかった。シャッフル役の伊原剛志は前日DVDで見直していた「ガメラ」(また見たのかよ)の一本調子な演技とは格段の差。かっこいいけどだらしなくて憎めないというキャラを見事に演じてました。そして幸子役の奥菜恵。チビブス眼鏡なキャラなのに、どんどん可愛くなっていく。しかも演技巧いなあ。「悪魔の唄」に続いて名古屋登場の山内圭哉は文句なし、惚れ直しました。そしてそして、やっぱり一番いかがわしかった大王後藤ひとひと。美味しいことろ、持っていきます。石野真子がアイドル時代の石野真子の役で出てきたのも驚き。他の役者さんたちも次々と別のキャラを演じなきゃならない難しい舞台をきっちり仕上げてくれました。
やっぱり後藤ひとひとの芝居は面白いなあ。一生ついていこう。
| 固定リンク
コメント
MYSCONではお世話になりましたm(__)m。
太田先生も後藤ひろひと好きですか!。私も大好きですよ!。
特にG2と組んだ時の芝居が好きですが、次回の『姫が愛したダニ小僧』も観に行くつもりです。こちらも名古屋でやるようなので先生も是非。
嬉しくなった思わず書き込んでしまいました。
投稿: shaka | 2005.05.12 15:06
>shakaさん
後藤ひろひとの芝居は遊気舎の「じゃばら」を観て以来、追っかけ続けています。いいですよねえ。
『姫が愛したダニ小僧』もチケットが取れたら行きます。
投稿: 太田忠司 | 2005.05.12 15:40