万博に行ってきた
仕事のほうも一段落ついたこともあり、梅雨に入る前に行っておこうかと愛知万博(愛・地球博って名前は、どうも抵抗あるなあ)に行ってきました。
交通手段は地下鉄で藤が丘まで行って、そこからリニモ。たしかに走行は静かだけど、加速と減速がスムースでないので立っているとふらつきますね。それに上昇下降やカーブが急すぎて遠心力も結構働きます。軽めのジェットコースター感覚かな。
万博八草駅まで行って、そこから瀬戸会場へ行きました。入り口前には持ち物検査の検問があって、行列ができています。ケータイやカメラなど金属製品は係員に渡し、自分金属探知機のゲートを潜り抜けなきゃならない。空港並みの厳重さです。
ところで万博会場へはペットボトルの持ち込みが禁止されていることは周知されているのかな。理由は「可燃物を詰め込んで持ち込まれるかもしれないから」というものですが、場内に入るとペットボトルが一杯売られているところを見ると、どうも意図が見え透いているような気がしますが。
ともあれ、外からペットボトルを持ち込むことは禁止なんですよ。持ち物検査のときにはそれもチェックされて、持っていたら没収されます。
ところが僕の前にいたお爺さん、持ってきたバッグを係員が開けると、中身はペットボトルに詰めた麦茶らしきもの。明らかに「違反」です。しかしその数が半端じゃない。8本くらいはあったかな。バッグの中全部ペットボトルだったんです。
当然係員は「申しわけありませんが、これは持ち込めません」と没収しようとしたんですが、そのお爺さんは意味が理解できなかったのか、バッグにペットボトルを戻してそのまま会場に入ろうとする。慌てて係員が「駄目です。持ち込めないんです」と引き止めたんだけど、やっぱり理解してもらえない。そこで係員「申しわけありませんが、ちょっとこちらへ」と、お爺さんをどこかへ連れていきました。
その後、お爺さんがどうなったか、僕は知りません。
持ち物検査でのハプニングがもうひとつ。
修学旅行で来ているらしい中学生の一群が僕らの前にいたんですが、引率の教師が疲れた顔で「ハサミやカッターは持ち込めないから、持っている者は出すように」と触れ回っておりました。まあ、ペットボトルでさえ恐れてるんだから刃物が持ち込めないのは理解できる。しかしこんなところにハサミとかカッターとか持ってくる奴はいないよ、と思って聞いてたですが……なんと、中学生たちが次々とバッグを開けて、中から工作用のハサミを出してくるじゃありませんか。男も女もジャラジャラジャラと。ガイドさんが袋に詰めて集めてたけど、数十個は集まってた。一体こいつら、どうして修学旅行にハサミを持ってきたんだ?
学生の胸倉つかんで理由を聞き質したかったですよ。しなかったけど。
やっとのことで瀬戸会場へ。
当初はメイン会場になる計画だったのが、森にオオタカの巣が見つかったりして縮小されてしまった瀬戸会場ですが、それゆえどういう会場設営がされたのが気になって、一番に観てみようと思っていたのです。
うーん、正直、意地張ってここに会場を残したのって意味あったのかな、というのが正直な感想。瀬戸日本館とかは環境に配慮した設計がなされていると謳ってましたが、それにしては外観が周囲の森と合わないと感じました。木造にすれば自然だってことじゃないと思う。補強用なのか無愛想な鉄骨も目立つし。
その瀬戸日本館で上演されていたのは「一粒の種~響きあう知恵の記憶、わたしがはじまる。」という朗読劇。諺とか小説の一節とか「声に出して読みたい日本語」を大勢で声に出して読んで演じてみせる芝居でした。発音も声量もなかなか迫力ありましたが、なぜか何を言っているのか全然聞き取れなかった。大勢で喋りすぎじゃないかな。あれじゃ日本語の美しさがわからないぞ。
瀬戸日本館を出て無料のモリゾー・ゴンドラで長久手会場へ。
夢みる山の入場整理券を入手してから昼食。トルコ料理店でシシケバブとドネルケバブ、そしてトルコビール。トルコアイスのパフォーマンスが面白かったので食後アイスも食べたんですが、ずっと流れていたCMソングが耳について離れなくなりましたよ。
食後、時間があったのでインド館へ。未読王さんと黒田研二さんが揃って「インド館のコンパニオンが一番美人だ」と言っていたのでその検証に。
結論――たしかに美しい。やっぱりインド人ってきれいだよなあ。
もうひとつインド館で嬉しかったのはカレーのレトルトを売っていたこと。思わず大量買い付けしちまいましたよ。
てなことをやってるうちに時間がきたので夢みる山へ。
ここのテーマシアター「めざめの方舟(はこぶね)」は押井守演出ということで、前々から期待しておりました。
結論――これは押井守が作り出す「画」に惚れているひとには願ってもない贈り物。しかし押井作品に興味がないか、あっても画には特に固執してないひとには、何かなんやらの世界でしょう。僕は「画」が好きなので、満足しました。
次はロシア館。ここの呼び物は何故か公式サイトでも紹介されていないマンモスの全身骨格標本です。
万博でマンモスって言うとこっちのほうが評判になってるけど、僕は全然興味ないです。結局のところこれって「腐ったしたい」だし。それよりは全身骨格でしょう。こっちのほうがすごいです。一緒に写真撮ってしまいましたよ。
あと印象に残ったのはイタリア館の「踊るサチュロス」でした。これはもう本当に美しい。広隆寺で初めて弥勒菩薩像を見たとき以来の衝撃でした。
イタリア館は全体のセンスもよかったなあ。やっぱりデザイン力ということになるとイタリアは素晴らしいですね。実際にイタリアに行きたくなってしまった。
デザインといえばパビリオンの中には入らなかったけど、スペイン館の壁も素晴らしかった。六角形の陶器が組み合わされてるんですが、その色合いの美しいこと。この色彩感覚には負ける。
イギリス館のイングリッシュガーデンには正直嫉妬を覚えました。どうやったらこんな庭が作れるのだろう。無造作を装っているけど、ものすごく計算されてるよな、これ(写真を撮ったけど、素晴らしさを映し出してはいなかった。これは生で見ないと駄目だな)。
他にもオーストラリア館やニュージーランド館などを廻りましたが、おおむね満足できました。待ち時間の長い企業パビリオンを敢えてスルーして外国パビリオンだけを狙ってみましたが、これは正解でしたね。
ただ、まだ観てないパビリオンで面白そうなところも残ってるんだよなあ。ああ、リピーターになった人間の気持ちが、今やっとわかった。
| 固定リンク
コメント