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2005.11.24

沖縄

 21日から二泊三日で沖縄に行っておりました。

 初日、空港で沖縄名物の第一弾A&Wのハンバーガーとルートビアで昼食。ルートビアは初体験でしたが、噂に聞いていたとおり薬のような味がしたものの、それがなぜか懐かしい。説明を見ると甘草が入っているそうで、これなら子供の頃から馴染みのものでした。

tamaudon 空港からホテルに直行してチェックインし、そのままゆいレールに乗って首里城へ。一番ポピュラーな観光地なだけあって、観光客は結構多かったんですが、ここより僕ら夫婦が気に入ったのは 王家の墓である玉陵(たまうどぅん)でした。たたずまいが古代の遺跡のようで、しかし今でも人々の信仰の対象となっている(実際、僕らが訪れたときも墓の入り口に向かってお祈りしている地元のひとたちがいました)。メンタリティの部分からして沖縄は異文化の土地なのだなと実感しました。このあたり、ほとんど観光客がいなかった。もったいないなあ。

 夜は沖縄経験者から薦められていたゆうなんぎいという郷土料理の店へ。
 せっかく沖縄にきたんだから試せるものは何でも試そうと沖縄料理をどんどん注文しました。豆腐よう、ミミガー、ラフテー、ゴーヤーチャンプルー、グルクンの唐揚げ。
 豆腐ようなんて結構クセのある食べ物と聞いていたんですが、そして実際クセはあったんですけど、これが意外に美味しかった。沖縄料理全体の印象でもあるんですが、クセの方向性がどこか名古屋の料理に近いものがあるような気がします。他にはない味付けながら、くどさがなく舌に馴染みやすいんですよ。酒はもちろんオリオンビールと泡盛。泡盛美味かったあ。

 翌日は水中鑑賞船なるものに乗る予定だったのですが、前日からの雨と風で水中の視界がゼロということで出航見合せ。翌日に繰り越しとなりました。しかたなくそのまま国際通りに出て散策&買い物。途中、とても気に入った焼き物があったのですが、値段がバカ高くて諦めました。今でもちょっと心残りですけど。
 そのまま公設市場に入り、昼食はソーキそば。これも美味かった。
 ホテルに帰り、次はロビーで長年の友人である早見裕司さんと待ち合わせ。早見さんと会うのって何年ぶりかなあ。早見さんが沖縄に引っ越すまでは上京したときにときどき顔を合わせてたんですが。
 ともあれ、再会を喜び合ってホテルのラウンジでお喋り。普段からネット上では頻繁にやりとりをしているんですが、直接顔を合わせて話すのは、やはりいいですね。わざわざこのために出向いてもらって、とても申し訳なかったのですが。

 早見さんと別れた後、僕らは識名園に向かいました。琉球王の別邸だそうで、庭の造りは日本風と説明があったのですが、そんな雰囲気はほとんど感じられません。やはり沖縄特有の雰囲気が漂っています。ここもとても気に入ったのだけど、観光客は少なかったですね。やっぱり僕らってマイナー志向なのかな。
 識名園の後は壺屋あたりをぶらぶらしながら、また国際通りへ。事前にしっかり計画を立てて旅行をする質じゃないもので、ほとんど行き当たりばったりです。歩いているうちにゆいレールの駅に行き着いたので、そのままホテルに戻りました。

sanagi ところで僕らが宿泊したのはロワジールホテルというところなのですが、ここの売りのひとつが蝶々園。オオゴマダラという蝶を飼育し、温室で放し飼いにしているんです。
そのオオゴマダラの蛹が左の写真。ご覧のように黄金色に輝いています。こんなきれいな蛹、見たことがない。

seitsuu 温室内には羽化したオオゴマダラもたくさんいて、文字どおり乱舞しています。蝶たちを見るためだけでも、このホテルに泊まる価値はあると思います。

 夜はまた別の郷土料理の店に行き、今度は麸チャンプルーにミーバイの煮付け、海ぶどうに沖縄の魚の刺身と、これも初体験のものをいただきました。どれも美味かったなあ。沖縄の食べ物で不味いと思ったものがない。たぶん僕、沖縄でも生きていけると思う。

 さて翌日は最終日。今度こそはとかすかな期待をしていたのですが、水中鑑賞船はやはり視界が悪くて駄目。諦めるしかありませんでした。沖縄三日間、結局晴れ間を見ることができなかった。これだけは心残りだな。
 中途半端に時間があったのですが、これからどこかに観光に行くというわけにもいかず、ホテルをチェックアウトして那覇航空へ。空港の売店を見て回り、自分への土産としてマングローブの苗を買い、昼食に沖縄料理の締めとしてラフテーそぱをいただき、飛行機に乗って帰ってきました。

 三日間、結構歩き回ったんですが、不思議なくらい疲れなかった。それどころか軽い四十肩になっていたのが旅行の間は全然気にならなかったのです。沖縄って体にいいのかな。

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2005.11.20

補足/川崎ゆきおのこと

 そうそう、講演会でも打ち上げでもわが偉大なる師川崎ゆきおさんのことを紹介したのでした。若いひとには馴染みがないようですが、「猟奇王」シリーズは傑作です。この日記で川崎さんのサイトを紹介すると言ったのを思い出したので、リンクしておきます。

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講演会、終わりました

 立命館大学学園祭での講演会に行ってきました。
 大学の教室でやったので、なんだか講師か教授になったような気分でしたよ。
 あらかじめ用意されていた質問に答える形で進めていったので、滞りなくできましたが、もう少し喋りが巧くならなければな、と反省。あまり笑いも取れなかったし(そりゃ方向性が違うって)。 内容は作家になった経緯とかここの作品についての裏話など。
 講演会の前後にミステリ研の方々とお話をしたのですが、当然のこととはいえ、ミステリをしっかり読んでますね。「最近の若いもんは古典を知らねえから駄目なんだよ」なんて小言みたいに言ってた自分が恥ずかしい。

dokuhon  そんなミステリ研のひとたちが作ったのが、この『太田忠司読本』
 上巻とあるようにまだ未完成なのですが、『新宿少年探偵団』『レンテンローズ』『3LDK要塞山崎家』『建売秘密基地中島家』『狩野俊介』の全作品レビューが載ってます。すごい力作です。しっかり読み込んでくれてます。ゆくゆくは単行本未収録の作品を含めた全作品のレビューを目指しているそうです。脱帽です。

 後援会の後、学園祭を案内してもらいました。最近の学園祭って派手なんだなあ。あちこちでバンドが演奏してたし、フリーマーケットも充実してたし、模擬店もチャーハンとか水ギョウザとかドリップで入れるコーヒーとか、結構いろいろありました。僕の時代の学園祭なんてB紙での研究発表とか学資値上げ反対、当局の怠慢を糾弾する、なんてプラカードが並んだり、そんなものでした。時代は変わる。庄野真代とかも来てたけど。ちなみに立命館ではコブクロのライブがあったようです。

 その後、打ち上げにお邪魔させてもらいました。ここでも喋りまくり。「本格」というもののツボが年代によって違ってきているのではないかという話とか、書評をすることとされることの心構えとか、もしかしたら講演会よりよく喋ったかも。今の大学生は「ビオランテ」からゴジラを知ったという話にはジェネレーションギャップを感じましたよ。
 ともあれ、とても楽しい経験でした。スタッフの皆さんと参加してくださった皆さんにお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 ときに質問コーナーで「太田先生は『受け』ですか『攻め』ですか」と訊いたあなた、僕の見立てではあなたは「誘い受け」だな。

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2005.11.18

『神影荘奇談』

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 サスペリアミステリーに掲載されたコミック版狩野俊介シリーズの第四弾の見本が届きました。
 表題作の他に『狩野俊介の冒険』から『俊介の道草』、『狩野俊介の事件簿』から『家族のための旋律』がコミック化され収録されています。作画は大塚あきらさん。
 発売は11月28日の予定です。

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2005.11.14

エディが死んだ

eddie

 今朝、黒崎緑さんのサイトでニュースを知り、言葉を失いました。
 WWEのスーパースター、エディ・ゲレロが13日朝、亡くなったそうです。
 巡業先のホテルで朝になっても姿を見せなかったので部屋を開けてみると、亡くなっていたと。
 38歳。あまりに若すぎる。唐突すぎる。
 今のところ死因は不明。でも薬物中毒とかアルコール中毒を何度か経験していたので、もしかしたら心臓に負担がかかってたのかなあ。アメリカ中どころか世界中を巡業する生活も決して楽ではないだろうし。でも、エディ……悲しいよ。
 モットーは「lie,cheat,steal-嘘ついて、ズルして、いただき」ラテン系の小悪党を実に巧みに演じて、悪役でも観客の喝采を浴びていました。プロレスの技術も一級品で、ダレた試合、つまらない試合というのを見たことがない。真の意味でのエンターテイナーでした。
 来年2月の日本公演ではまたエディの楽しい試合が観られると期待してたのに……。
 でもきっと今頃は、向こうで神様相手に嘘ついてズルしていただいてるんだろうなあ。一足先に行ってる不敗亭さんと一緒に飲んでたりして。

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2005.11.08

ミステリ百科事典

「届いた本」でも紹介していますが、間羊太郎の名著『ミステリ百科事典』が文春文庫から復刊されました。
 古今東西のミステリの中からいくつかのモチーフを選び出して紹介したものですが、これかがもう、とてもつなく面白いんですよ。僕は教養文庫版を熟読していた人間なんですけど、ミステリの中身を紹介するという、いわば禁じ手を使いながら、これほど楽しい文章に仕立て上げてしまった作者には、ただ感服するしかないと思っています。今回の新版には宮部みゆきさんと北村薫さんの対談が収められているんですが、おふたりの気持ち、とてもよくわかります。
 若い読者には間羊太郎、あるいは別名の式貴士という名前は馴染みの薄いものかもしれませんが(このサイトがとても詳しく紹介しています)、この機会に是非とも読んでみてください。損はしません。

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2005.11.06

名張にて推理劇

 名張市で行われた推理劇「真理試験―江戸川乱歩に捧げる」を観てきました。
「江戸川乱歩生誕地碑建立50周年記念演劇公演」と銘打たれたもので、脚本を書かれた辻真先さんからチケットをいただいたのです。
 舞台は昭和初期らしい日本のある一室。女性判事が次々とやってくる犯罪容疑者たちの罪業を江戸川乱歩の作品を引用しながら快刀乱麻を断つがごとく解決していく。しかし……と次第に世界が揺らぎはじめ、二転三転する謎解きの末に驚くべき真相が、という筋書き。かなり高度な構成で、飽きさせない筋書きでした。さすがは辻先生。

 この日は有栖川有栖さんの講演会も開かれていたのですが、そちらのほうには行けませんでした。でも推理劇のほうにもいらしていたので、公演後挨拶だけはできましたが。

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