「THE 有頂天ホテル」を観る
もうすぐ消えてしまう名鉄東宝で「THE 有頂天ホテル」を観てきました。
すみません、エンドクレジットが終わって館内が明るくなった後も立ち上がれませんでした。圧倒されて、もうノックアウト。
何十人もの登場人物、同時発生する十をくだらないエピソード、それが複雑に入り乱れ絡み合い、しかしすべてが最後にはパチリパチリと収まるべきところに収まっていく。しかも全然無関係と思われていた他エピソードの伏線をじつに巧みに使いながら。
歌手をあきらめた男が手放した幸運の人形の行先、副支配人が冒頭で何気なくポケットに入れた灰皿の使われ方、腰振りおじさんの待受画像が導くカタストロフ。その他いろいろ。まさかこれがあそこで……といった連続。
何度でも言います。ノックアウトされました。
物語や人物は三谷幸喜の作品にはよくあるものばかり。中心人物となる、冷静で有能ですべてのアクシデントをひとりで解決できそうなんだけど意外なところで弱点が露呈してグズグズになってしまう副支配人なんて、何度も似たようなキャラを観たよなあ。でも何度観ても巧いと思う。
ちょっと早いですが、今年の映画、よほどのことがないかぎりこれがベストです。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
最近のコメント