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2007.02.18

味噌煮込み南湖

 講談師旭堂南湖さんの講談の会「みそ煮込み南湖」に行ってきました。会場はいつもと同じで我が家から歩いて行ける距離のお食事処「楽」。

「新作講談 妖怪ゴキブリ」は南湖さんが沖縄に旅行されたときの実体験を講談にしたもの。巨大なゴキブリとの戦いが面白い。ここをもっと膨らませて剣劇みたいにすると、いくらでも話を広げられるかも。

「探偵講談 夢の世界」は明治期の探偵話。列車から落ちた柳行李から血が滴り、不審に思った駅員達が開けてみると中からバラバラ死体が……という発端はもろに乱歩。ていうか、乱歩の小説のルーツはこういうところにあったんですね。南湖さんが「犯人は絶対にわかりません」と言ったとおり、あまりに唐突な展開に唖然とするものの、こういうのが当時の主流だったのかな、と。

「講談紙芝居 原子怪物ガニラ」は今回でいよいよ完結……と思っていたら、うーん、まだか。隠れていた岩穴からも追い出され、ようよう辿り着いたヘリコプターも故障で動かず(って、もともと故障でこの孤島に落ちたんでしょうが)、背後からは巨大な怪物ガニラが迫ってくる。絶体絶命のシンイチ少年たち。さてその運命や如何に!

「古典講談 太平記より 楠木正成と泣き男」は合戦場面の多い太平記の中では比較的まったりとした部分だとか。一芸に秀でたものを召し抱えようと御触れをだした楠木正成の前に現れた男は「誰であろうと泣かせてみせる」と豪語。百戦錬磨の武将達を相手にその「技」を披露することに。捻り方の面白い話でした。こういう講談も昔からあったんですねえ。

 講談の後は恒例となった芦辺拓さんとの対談。今回はなぜか僕まで引っ張り出されてしまいましたよ。唐突なので何を話したらいいのかわからず、最近知った(じつはその日に通知が来た)芦辺さんの近況を暴露してネタにしてしまいました。

 その後は、これも恒例の宴会。途中で南湖さんと芦辺さんが帰られた後も延々と続きました。僕もWWEの特番「ロイヤルランブル」を観るために途中で抜けちゃったんですけどね。 

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2007.02.12

梅笑う

Cimg0738

 玄関先に鉢植えしている梅の蕾が開きました。
 まだ二つ三つですけど、ほのかな薫りを漂わせています。
 今年は積雪を見ないまま、春になりそうですね。

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2007.02.10

異形コレクション讀本

 井上雅彦さん監修のオリジナル・アンソロジー「異形コレクション」の10周年を記念する本です。
 僕も寄稿者のひとりとしてアンケートに回答しています。
 個人が監修するオリジナル・アンソロジーでこれだけ長い期間、そして多くの冊数で出版しているのは、世界にも例がないことでしょう。本当に素晴らしいことです。
 この本の内容も素晴らしい。日本の小説界における「異形」の果たした役割や現在の短編小説が置かれている状況の分析など、詳細な評論が並んでいますし、何より井上雅彦という希有な作家のための絶好の研究書となっています。
 井上さんとはお互いまだプロになる前から、ショートショートを書いていた頃からの友人ですが、気がつけば日本の闇の世界(といっても汚い政治や経済の闇ではなく、恐怖と美をつかさどる夜の世界のこと)を牛耳る魔王のような存在です。ますます人間離れしてきたな。

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2007.02.08

『黄昏という名の劇場』文庫版

『黄昏という名の劇場』の文庫版見本が届きました。
 太田忠司初の怪奇幻想小説集です。単行本と同じくフジワラヨウコウさんの装訂と装画で、本当に美しい本になりました。解説は東雅夫さん。古今東西の作品と拙作との繋がりを丁寧に押さえた素晴らしい文章を書いてくださいました。いや、ここまで克明に分析されてしまうと、自分を腑分けされたみたいで怖くなりますね。

 今いるこの世界が、本当に自分の居るべき世界なのかどうか。そんな疑問を持ったことがある方、この本を呼んでみてください。これは、そういうひとのための本です。

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2007.02.07

「本格ミステリ大賞」候補作決定

【小説部門】
『顔のない敵』 石持浅海(光文社)
『シャドウ』 道尾秀介(東京創元社)
『邪魅の雫』 京極夏彦(講談社)
『樹霊』 鳥飼否宇(東京創元社)
『時を巡る肖像』 柄刀一(実業之日本社)

【評論・研究部門】
『刑事コロンボ完全捜査記録』 町田暁雄監修(宝島社)
『戦後創成期ミステリ日記』 紀田順一郎(松籟社)
『探偵小説と記号的人物』 笠井潔(東京創元社)
『論理の蜘蛛の巣の中で』 巽昌章(講談社)

 大賞決定は5月11日の予定です。

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