島崎博さんをお迎えする会
特に新人については泡坂妻夫、栗本薫、田中文雄、田中芳樹、友成純一、連城三紀彦、竹本健治といった、後の新本格の勃興にも結びつく多彩な才能を見出したことで、日本のミステリ界には多大な貢献をしました。
その「幻影城」を主宰していた島崎博さんは雑誌休刊後、故郷である台湾に戻られ、そのまま日本では消息不明の状態が長く続いていたのですが、ネット社会の発達が台湾と日本のミステリファンを結びつけ、その中から島崎さんの消息も知れ、昨年は有志による同人誌「幻影城の時代」も刊行されるまでになりました。
そしてついに、島崎さんが日本にいらっしゃるということになり、それに合わせて本格ミステリ大賞特別賞の授与式を兼ねた歓迎会が9月13日に開かれることになりました。
僕も「幻影城の時代」に駄文を掲載させていただいた縁があり、そしてなにより雑誌「幻影城」に胸ときめかせた青二才本格マニアのひとりとして、出席してきました。
会場は神保町の学士会館。なかなか趣のある建物でした。
でも会のほうはそれ以上に歴史の重みを感じさせるものでした。
だって憧れだった幻影城作家が、あちらにもこちらにも!
まさに歴史が目の前を歩いていく状態です。
僕なんて、まったくのペーペーですなあ。
会は本格ミステリ大賞特別賞授与式と来賓の挨拶、そして島崎さんのお言葉の後に乾杯と続きました。
歓談のときに思い切って(というか、事務局の石井春生さんの力を借りて)島崎さんに御挨拶し、名刺交換してもらい、一緒に写真まで撮ってもらいました。これだけのことをするのに、どれほどのエネルギーを使ったやら。
でも調子に乗っちゃって、その後なんと泡坂妻夫さんにも御挨拶してサインもらっちゃいましたよ。すっかりミーハー。
途中で栗本薫さんによるピアノ演奏と泡坂妻夫さんの手品という贅沢なアトラクションもありました。列席者全員による写真撮影では別の場所に移動したんですが、たまたま一番後の段に立ったら、その後が奈落状態。しかも120人くらいしか撮影できない場所に150人も押し込んだんだそうで、ときおり押されて命の危険を感じるほどでした。写真に写った僕の顔、引きつってるかも。
会が終わった後は数人で喫茶店休憩した後に二次会へ。
こちらも大盛況でした。根っからのエンターテイナーな泡坂妻夫さんは、あちらこちらで手品を披露。年齢を感じさせないその手際に、僕と有栖川有栖さん、綾辻行人さんは揃って手を合わせ「ありがたやありがたや」と拝んでしまいましたよ。
他にも現役作家は芦辺拓さん二階堂黎人さん倉阪鬼一郎さん喜国雅彦さんその他大勢いらっしゃいました。みんな幻影城の子供たちです。
二次会の席で若い編集者が「30年前の雑誌なのにこんなにも大勢のひとが集まるなんて驚きです」と言ってましたが、それだけの魅力があったんですよね。
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