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2010.09.09

スリーベルズ

 9月7日、名鉄ホールで敬愛する後藤“大王”ひろひと作・演出の舞台「スリーベルズ」を観てきました。
http://www.parco-play.com/web/play/threebells/

 クリスマスが迫る頃、一度も鳴ったことのない三連の鐘を屋根に飾る、今にも潰れそうなスーパーマーケットが中心となって起きる三つの出来事。
 詐欺師は超生意気な子供にサンタクロースの存在を信じさせなければならない。
 内気なOLは心に溜め込んできた愚痴をキャンディーに変える術を手に入れる。
 世界に絶望したストリートミュージシャンは15年間眠り続けてきた男の目覚めに立ち会い、彼に「未来の世界」を見せる。
 それぞれの物語が組み合わさりもつれ合って、皆はひとつの小さな奇跡に出会う。

 この「小さな奇跡」というのは大王の芝居のモチーフだと思います。「みんな昔はリーだった」も「パコと魔法の絵本」の原作となった「ガマ王子VSザリガニ魔人」も、小さな奇跡が起きる物語でした。
 その奇跡がね、本当に素晴らしかった。舞台設定を見た瞬間に「こうなるだろうな」とわかっているようなものなんだけど、いざそのシーンを見せられたら、もう……泣く。

「ウェルメイドプレイ」という言葉があります。洒脱な台詞、巧妙な構成、類型的な登場人物の取り合わせによる、よく出来た芝居という意味。逆に言えば意外性も斬新さもないというので、ネガティブな評価の意味で使われることも多い言葉です。
 でも、僕はウェルメイドプレイが好きです。これぞ物語の王道だと思う。
「スリーベルズ」はウェルメイドプレイのお手本のような作品でした。

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